自律訓練法に挑む④

一日も欠かさず訓練を重ね背景公式、重感、温感まで約3ヶ月ぐらいで身体に反応があらわれるようになったので、次の公式に移ることにした。

さて次は、第3公式(心臓調整練習)ー「心臓が自然に規則正しく打っている」だが、この公式はごく自然に穏やかにではあるが、心臓の拍動が変化するらしく、その事を考えると心臓に障害のある人は、この練習はパスした方がいいとのことだ。

自分としても特に心臓に持病はなかったのだが、心臓の鼓動の速さを変化させるといこうことに気持ち悪さを感じたので、この練習は飛ばし次の練習に移ることにした。

次の第4公式は呼吸調整練習ー「自然に(楽に)呼吸している」だ。

佐々木先生の本によると自律訓練法は自分の意志を持ち込んでは、効果が得られず、呼吸調整練習においても意図的にゆっくり呼吸しても、それは楽な呼吸とは異質なもので、気持ちをリラックスさせて、ただ自然の呼吸にまかせておけば良いそうだ。(呼吸器に疾患のある人はこの練習を避けた方が良いらしい)

 

練習は背景公式、重感、温感へと進み呼吸調整練習へと10分程度で終わるようにした。

 

最初は「楽な呼吸をしているな」と確認作業のような感じだったが、日々練習を重ねるに連れて、自分の意思とは無関係に呼吸自体が楽なものへとなっていった。

ちょうど腹式呼吸を自分の意思とは無関係に身体がしているような状態になり(腹部が自動的に凹凸する)うまくいくと気持ちが良くなり、リラックスも更に深まっていく。

 

ある日、いつものように昼食後、自家用車内で寝ぞべり練習をしたのだが、たまたま練習の調子が良く呼吸もかなり楽に出来ている状態だった、そうやって楽で自然な呼吸に身を任せていると、突然、「なんだこりゃ!??」っていう、とてつもない不思議な体験をすることになる。

あとで調べてわかったのだが、いわゆる変性意識状態というもので、ちょっと言葉で表現をするのは難しいのだが、自分の体験は外界の情報が一切遮断されダダ広い闇で空中浮遊しているような不思議な感覚だった。

 

体験自体はかなりのリラックス感を伴い恐怖心は微塵もない。その状態を持続させようとして意識すると途端に泡のように消えてしまう、練習をしていく中で起きる稀な体験といってよい。

 

 同じく佐々木先生の自律訓練法について更に詳しく書かれてある(特殊訓練法、瞑想訓練などについても細かく記載)「自律訓練法の実際」にも変性意識らしいことが書かれてあり、人によって遥か遠い景色を眺めているような体験などいろいろあるらしい。

 

この時の体験を機に「呼吸」そして「変性意識」との関係性について深い興味を持つようになった。

直感的に「呼吸」というものが治療においても、人生においても実は非常に重要なのでは?と思うようになった。

(そしてこのことを調査していくことで、将来、自分を神経症の悪夢から救ってくれる更なる巨匠に出会う事になるのだ)

 

とにかく呼吸調整練習は比較的、早くにマスターすることができて次の第5公式腹部温感練習に移ることにした。

この腹部温感練習は一番難しい公式でマスターにはかなりの時間を要した。

次回に続く。

 

 

 

自律訓練法の実際―心身の健康のために

自律訓練法の実際―心身の健康のために