認知の歪み

I先生の指導により、飲み過ぎている薬を少しづつ減らしていく決心がついた。
そして神経症を克服すべく認知療法がスタートした。


まず自分が朝からどのような症状に振り回され、その時どう感じ、思考をしてるか書き出した。

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朝は起きると決まって憂鬱、心がどんより沈んでいる。
肩甲骨、肩、首筋から頭全体にかけてガチガチに凝っている。動き出すことがやっとだ。
疲れが尋常ではなく、だるくて仕方がない。
「会社に行きたくない」、「嫌な上司、嫌な人間に会いたくない」、「仕事、生きることがめんどくさい」

そして、朝一から決まって自分の容姿が気になって仕方がない、髪型、眼つきなどを鏡を見て何度も確認する。
何度見たところで仕方がないのに、わかっていても何度も何度も鏡を見て容姿を確認する。
髪型が整わないと、より一層憂鬱な気持ちになってしまう。

車に乗り込み会社に向かう、会社に近づくにつれて緊張感、不安感が増してくる。
車内のバックミラーを何度も見て、自分の容姿を確認する。

会社では朝、全体朝礼が行われる、数十人だがみんなが集まる、顔見知りの複数の人間が集まる場が苦手で仕方がない。
「みんな俺のことを見て、変な奴と思ってはいないか」、皆の視線が怖くて嫌で仕方がない。
緊張がマックスに達し、目が泳ぎ、顔面が硬直する、朝礼前、皆笑顔で自然に会話を交わしているのだが、自分にはその「自然に笑顔」が出来ない、話しかけられても、ひきつった笑顔でわけのわからぬ事を口走ってしまう。
そして変なことを言ってしまったと思い、後悔の念に苛まれる。いつものパターンだ。

たまらずトイレに駆け込み、流しでデパスを服用する。


朝礼が終わりデスクに座りパソコン作業だ。
デパスの効用でリラックスして仕事にのぞめる。

デパスを飲まない時は症状がひどく出る。
パソコン画面を見つめていると決まって、眼精疲労、緊張型頭痛が更にひどくなりモニターを見るのが次第に辛くなってくる、
仕事に集中出来ないほどだ。
精神的にも、不安や緊張、自分の見た目のことやら、過去の失敗など、思わなくても良いことが思えてきて、落ち着かなく、気が狂いそうになる。

事務所内の電話がかかってくると更に精神的パニックに陥る、電話が怖くて仕方がない、まともに電話対応ができないからだ。
特に周りに上司などいると、電話をとることが嫌で仕方がない、僕の電話対応はいつもどもり、その上、緊張なのか相手の名前、
話などよく聞き取れず、言付けの時は間違った事を伝えてしまい、担当者にいつも迷惑をかける。

電話対応時はいつもオドオドしてる為、先輩から「お前、挙動不審だぞ」と言われた時は、絶望に叩き落された気分だった。
その事を気にしてより一層挙動不審になっていった。

たまに商談の席で発表の機会があると、頭が真っ白になりしどろもどろになり、わけのわからぬことになり、皆からいつも
失笑をかっていた。

他人との対応もまともに出来ず、かといってパソコン作業も目が痛くなり緊張型頭痛で仕事の能率も極端に下がる。

場面場面で大量に薬を飲まなければ日々の仕事、生活をやっていくことができない。

夕方になると少しは楽になるが、家に帰って八時ごろになると、今度は夜寝る事への恐怖が襲ってくる。
「今日はしっかり寝れるのだろうか?」
自分で自分にプレシャーをかけるのでより一層、緊張し眠れなくなる。

こういう時は睡眠薬を飲むしかない。

そして朝起きてまた同じような一日が始まる。

鬱、不眠、醜形恐怖、頭痛、眼精疲労、肩こり、慢性疲労、だるさ、対人恐怖、視線恐怖、あがり症などなど
数々の神経症症状が自分を苦しめ、まさに地獄のような日々だった。
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上記の内容をI先生に診てもらい、僕の認知、思考の間違いを修正してもらうことになる。


次回に続く