不眠症への対処方法と覚悟の持ち方②

神経症克服プログラムでの岩波先生による施術、そして家ではストレッチ、呼吸法の練習を先生に言われた通り狂ったようにやり込んだ。

 

まずカチカチに硬くなっている身体をストレッチにより物理的に緩め、ある程度緩まった状態で呼吸法に挑むと上手くいく。これを毎日のように繰り返していくと相乗効果で身体が緩んでいく。練習をやればやるほど、先生が行う変性意識誘導技術により更に深い意識状態(トランス状態)まで到達出来るようになる。その状態でプラスの暗示が入れば精神の深い部分での向上が期待できる。

このサイクルを繰り返すことにより、これまで悪い循環に陥っていた人生が、良い循環へと方向転換していった。

 

最初に現れた良い反応が、寝つきの悪さ、睡眠の質が改善されたことだった。

これまで寝る前にあれこれいろいろと考えが頭の中をぐるぐる巡ってしまい一向に眠りに落ちなかったのだが、床に就いて呼吸法をやっているうちに、気づいたら朝になっている事があり、衝撃を受けた。薬無しでまともな睡眠がとれたのは、本当に久しぶりだった。

睡眠の質が向上すれば、次の日の体調や心の状態も良くなっていく。そんな日がどんどん増えてきて、人生も少しずつ上向きになってきた⤴

この調子でゆけば神経症克服ができるかもしればいと、淡い期待が膨らんできた。そんな矢先にまた不眠症の魔の手が忍び寄ってきた。本当に神経症は油断がならない💦

大事な試験がまた近づいてきたのだ。そのうなるとまたプレッシャーと緊張に心が捕らわれて眠れなくなってしまう。

またまた希望が消失し、地獄へ落とされた気分だった⤵

 

 そのことについて、プログラム受講時に岩波先生に質問した。

普段平常な時の睡眠は改善してきたが、大事な日の場合決まって不眠になってしまうが、そういう時はどうしたら良いか?

「寝ずにもやってやるぞ!という覚悟を持て!!」と一喝され、寝れなくなるのはお前だけじゃない、プロのボクサーやプロスポーツ選手でも大事な試合の前日は寝れなくなる、これは特別な病気ではないんだ的な事を教えてもらい、このアドバイスが今後の自分の人生において不眠を克服する為に必要だった決定的な一言であり、アドバイスだった。

確かに僕は不眠という事にかなりナイーブになっていた、ちょっとでも寝つきが悪くなっただけで、すぐに心がへこみ、もうだめだ↘自分は病気だと思い込むようになっていた。

そうじゃなくて、人間やっぱり体調の悪い日もあるし、大事な日の前は緊張もする、それが眠りに現れるのはごく自然のことであり、いくつもの修羅場を経験し強いメンタルをもっているであろう達人であってもそれはあり得ることなんだと。

あのマリナーズイチローでさえも大事な試合の前には眠れなくなったと聞いたことがある。

僕は不眠症への捕らわれをもっていただけだった。眠れない事に対して極端に恐怖をもっていたことが更に不眠を加速させていた。

(こうやって不眠について深く掘り下げて記事を書くなんてことは更に不眠を意識していまい昔はとても出来なかったが今はできる)

 

「寝なくてもやってやるぞ!」と覚悟を決めた僕は、それ以降、寝れない時は真夜中でもひたすら呼吸法に取り組むことにした。

1年365日もあれば、調子が悪く寝れない日はだれにだってあると思う。とにかく寝れなくても呼吸法を狂ったようにやることだ。寝れたらラッキーだし、寝れなかったらとにかく呼吸法をしてれば良い、そして次の日は心身ともにボロボロだったとしてもボロボロの状態でもやってみる。どうしても辛かったら仕事を休んで、とにかく呼吸法をやってみる。

本当に寝ずに呼吸法をやった場合、6時間~8時間と呼吸法に時間が取れるからもうけものかも知れない。寝れないときは呼吸法と心に決め、実践してみると僕の場合2時間3時間目あたりから「フワ~~」とした心地よい、あたかも宇宙遊泳をしているかの如くの深い状態にはいることがあった。「???!!!」という神秘体験としか言いようのないとてつもなく深いリラックスが味わえる。

岩波先生は「自分の足がずっと遠くへいってしまう」とか言っていたが、始めは何を言っているのかわからなかったが、僕の場合は腕がストリートファイターに出てくるダルシムのように天井まで伸びてるような摩訶不思議な体験をした。

「何なんだこれは!!!???」と思っているうちにしばらくすると寝てしまう、そして朝起きた時は2時間ぐらいしか寝ていないにも関わらず、すごぶる体調が良好で、全身の疲れが一気に無くなっていることもありびっくりした。

仕事でもサクサク身体が動き、逆に長時間睡眠を取った時よりも身体の調子が良い。

不眠への恐怖心が薄らぎ、人間、多少寝なくても大丈夫ということが身をもって分かったこと、そして寝れなくてもトランス呼吸法という武器があるという安心感、自信が生まれ、ついに長年苦しめてきた不眠症そして不眠に対する捕らわれを克服できた。

 

しかしまだまだ、僕のトラウマの根は深く、鬱状態、悩み易い性格、人間関係など心の悩みは多々あり、岩波先生の超絶技術により心の奥の奥にメスを入れてもらう必要があった。

 

   

 

 

不眠症への対処方法と覚悟の持ち方①

 僕は不眠症に長いこと苦しめられてきた。鬱が先なのか不眠が先で鬱になったのか、とにかく自分の人生には常に不眠がくっついていた。

 

 不眠症と言えば、寝付きの悪いタイプ、途中で起きてしまうやつ、などいろいろあるが、僕は特に前者のタイプで、寝る前に床へついてもいろいろ考えてしまい、すんなり眠りに落ちない。ひどい時には一睡もできない。

 

 しかし岩波先生の神経症プログラムを通っているうちに不眠症が改善され、また不眠へ対する覚悟の決め方を教えてもらえた。薬も完全に断ち切ることもできた。

 

 神経症で悩んでいる人は、身体が硬い、僕もめちゃくちゃ硬いと言われた。体の硬さと悩みの度合いはリンクしていると思ってもよい。

 そして体が硬いと呼吸法もうまくいかない。岩波先生に言わせれば、その人の呼吸を見ればその人がどんな人生を送ってきたのかが、わかってしまうと言う。

 

 そこでまず、身体を柔らかくする為のストレッチと呼吸法を伝授してもらえうる。何より一番不眠に効いたのは、弱い呼吸法だった。鼻から吸って口から長く吐くという何時でもどこでも出来る簡単なものであるが、これがかなり奥が深い。

 

 この呼吸法をどれだけ家でやってくるかが課題でありかなり重要だ。熱心な人で一日何時間もやってきましたという人もいるが、「とにかく狂ったようにやれ!」と言われる。この課題はどれだけ時間をかけるかが勝負で、時間をかければかけるほど効果がある。ただし、中々時間が取れず、時間が取れたとして練習して上手くいかなければ、何か無駄な事をやっているんでは?感が半端ない。

 そういう場合、「無駄を甘受してやれ!」「ぐだぐだ考えずバカになってやれ!」と先生から激を飛ばされる、事実、先生自身も神経症にはまってた時、1日6時間呼吸法を2年間続けたらしく、その時はどうなるかもわからず、人生終わったつもりでやったみたいだ。

 はたから見たら、「かっ、かなりイカレてる!?」と思ってしまうが、もう神経症で人生狂わされて半ば終わったような人生だ、それ自体がかなりイカレた人生だと先生は言う。

 そしてイカレは実はパワーがある、イカレ、狂いを元に戻すのではなく、そのままイカレたまま、ぶっ飛んだ覚悟で呼吸法をやるしかないということだ。

 

   

 

神経症を遂に克服!! ドリームアート研究所「神経症プログラム」の事。

 精神安定剤睡眠薬の量も再び増えてきた、薬を飲めば一時的には状態は良くなるが、それに伴いだるさ、集中力の急落、口の渇きなどの副作用に見舞われる、病状は一向に快方には向かわず、その場しのぎの対処療法で誤魔化すしかない。

 

 もうこんな状態を繰り返してきて十数年もの長い年月が経つ、さすがに嫌気がさした自分は、根本的な治療をしたいと思い、ドリームアート研究所の岩波先生の神経症プログラムを受講する決意をした。

 料金は少し高額だが、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、「もうどうにでもなれ!」という気持ちでドリームアート研究所に勢いで電話をかけた。

 

 1回目はつながらず、2回目で電話がつながり、岩波先生が対応してくれた。人間の心の造詣に深く、まさにその道のプロフェッショナルとしての強烈な自信を岩波先生の声から感じ取ることができた。

 先生もこっちのつらい心境と神経症を治したいという気持ちと覚悟を察知してくれたようで、2か月先だが予約を取ることができた。(とにかく受講者が殺到しているらしく、なかなか予約を取ることが難しいらしい、なので先生はある程度の気持ちを持った人を優先して予約を入れてくれる) 

 

 初回は大阪事務所で受講した、直前に先生に電話をかけ、事務所の場所を案内してもらった、噂通り小柄だったが、ロックな風貌で年齢を感じさせないほどパワフルな先生だった。

 とにかくこれまで会ってきた精神科や心療内科の白衣をまとった医者とはあらゆる面において異なっていた。

 

 受講一回目で感じたその違いを自分の体験と照らし合わせて、簡単にまとめておきたいと思う。

 

■世間一般で言われるところの心療内科あるいは精神科の医師

 

(治療方法)

薬物療法、ただしいつまで飲み続ければ良いか明確な回答がなく、治療法といえるのか甚だ疑問。

カウセリングなど。

一歩進んだ医師は自律訓練法などを指導してくれる。

 

(日常生活へのアドバイス)

生活習慣を正し、趣味などを持ちストレス解消をして疲れを溜めてはだめ。

また運動をするように勧められる。休むことに罪悪感を持ってはダメなど。

教科書的なアドバイスだ。

 

(精神面へのアプローチ)

患者の話をよく聞いてくれる、聞いてもらうだけでも患者は安心するらしい。

こうすべき、ああすべきとはほとんど言われない、とにかく話を聞いてくれる。

それだけでも患者は安心できる。

患者のメンタルは表面上は安心するが、一時的なものでまたどうしようもない不安にさいなまれる。

 

■岩波先生の場合

 (治療方法)

治療のレベルではなく魔法と言いたい。

トランス呼吸法、ルーツ分析、変性意識誘導技術など

呼吸法については、マイルドなものから強烈なものまで状況に応じていろいろある。

薬は一切使わない、薬を既に飲んでいる人は徐々に減らしていって最終的に薬を断つことができる。

 

(日常生活へのアドバイス)

日常生活のくくりでは収まらず人生における生き様、哲学を教えてくれる。

この岩波流、生き様、哲学がかなり斬新でこれまでの自分の考え方、視野がいかに狭かったか思い知らされる。

 

(精神面へのアプローチ)

こちらの話も当然のことながら聞いてくれるが、それ以上に先生からの「俺こうやってやってきた!」という話を沢山してくれる。

機関銃のようにいろいろ話してくれて、自分はほとんど聞いていだけだった(笑)(汗)

ただし中身のない話では決してなく、人生の真理を鋭く突いた聞き入ってしまう内容でとても為になるし面白かった。

しかも、もっとすごいことは、その話が机上の空論で、ただ頭の表面をなぞるだけではなく、心の奥の奥、潜在意識のとてつもなく深いところで心底わかるようにしてくれるとてつもないアプローチ方法、技術をもっているのだ。その技術力がすさまじいと思えるのは、実際に先生の変性意識誘導技術を体験してみないとわからない。

 

 以上のように他の精神科医やカウンセラーとは何もかもが違っていて、ただただ度胆を抜かれことばかりで、大げさな言い方になるかもしれないが、真っ暗な自分の人生に感動と希望をくれたのが岩波先生だった。

 

 おかげ様で完全に神経症と薬とは無縁の生活を送ることが出来るようになり、うつ病、神経症などは世界でも難病の類に分類されているものの、薬物療法以外にも治る方法もあり、治る事もあるんだということを身をもって体験することができたのだ。

 

 

次回に続く

 

 

 

 

自律訓練法に挫折し、ドリームアートの岩波先生の事を知る

 自律訓練法を続けて約2年、腹部温感もほとんどマスターしお腹の温かみを大分感じられるようになった。症状はまだ辛かったものの以前と比べて薬の量も減ってきて心身ともに快方に向かっていると思っていた矢先だった。

 

 その時、会社から強力に取るように勧められていた大事な資格試験の日が近づいていた。半年も前から勉強をして準備もしてきた、前まではプレッシャーにも弱い自分だったが、今度は自律訓練法があるからメンタル面でも大丈夫という自負があった。

 しかし、試験日が近づくにつれてなぜか心の底から不安と焦りの暗雲がモクモクと膨らんできた。

 そしてだんだんと寝つきが悪くなってきた。

 

 自律訓練法をやっているはずなのに不安が消えず落ち着きが得られない、焦りが焦りを呼び、不安が更に大きくなっていく「何でなんだ!?」といくら考えても原因がわからない、ただ症状がだんだん悪くなっていく。「どうしよう、どうしよう!」と慌てふためているうちに試験二日前の夜、とうとう全く眠れなくなってしまった。

 「大事な試験なんだ、体調を万全に調えてのぞまなければならない、もし落としたら上司やみんなに何を言われるかわからない・・」いろんな考えが頭をぐるぐる回っていた。夜も眠れないどころか、昼間も眠れなくなってしまった。

 前日の勉強をそっちのけで寝ることに集中し始めたのだが一向に目が冴えわたって眠れない。

 薬を大量に飲んでしまおうかと考えたが、「今までの減薬の苦労はどうするだ」というこの土壇場で変に少量に抑えてしまった。

 そして、自律訓練法でひたすら自分に暗示をかけた。

 

 結局、二日間、一睡も出来ずに試験にのぞんだ、身体はだるく頭は回らない、目はシバシバする、緊張性の頭痛と顔面の硬直がより一層ひどさを増し、試験問題を読んでも理解できず、まして回答もまともにできる状態ではなかった。

 最悪の日だった。試験はズダボロだった。そして2年間取り組んできた自律訓練法が全く効力が無かったことと、ダブルショックだった。

 悪夢はこれで終わらずに、試験から解放されたことでぐっすり眠れるようになると思いきやその後もほとんど眠れなくなってしまったのだ。

 

「もうさすがに身体がもたない・・・」

そう思い薬を簡単に出してくれる精神科に駆け込んだ。そして睡眠薬精神安定剤の世話にまたなってしまった。薬漬けの日々がまた始まった。

 試験というプレッシャーにいとも簡単に良好な状態を壊された・・・

自律訓練法への無力感、そして通院していた診療内科への期待感も無くなり、ついに次回予約をキャンセルして今まで世話になったI先生の元を申し訳ないと思いつつも、逃げ出してしまった。

 

 一体何でこんな事になってしまうのか、ネットでいろいろ検索した。

その中で、首の頸椎が歪んでいると周囲の神経を圧迫して脳に悪影響を及ぼすという記事を発見し、頸椎のゆがみを直すためにカイロプラクティックや整体にも通ったりもした。

 脳科学の側面から前頭葉が劣っているといろんな悪い症状がでるとの情報もあり、前頭葉を鍛えるために音読法や写経をしたりもした。

 どれも自分には向いていないのか一向に良くなる気配はなかった。

 

 やはり深い深い心理的なものが原因なのかと思い、神経症、潜在意識や変性意識関係のキーワードで検索していたら「岩波先生」という名前が沢山ヒットした。

 

 ドリームアート研究所の岩波英知先生だ。とにかくネットユーザーの反響が大きくあまりに高評価の為、最初は半信半疑だった。

 とにかく藁をもすがる思いでそれらの情報を確かめた。ドリームアートのホームページ見た時には、直感で異様な凄みを感じた。

 

 ネットユーザーの「すごい!すごい!神経症が治った!」というただの感嘆だけでなく、「覚悟」、「イカレ、狂い」、「トランス呼吸」、「とてつもなく深い変性意識」、「ルーツ分析」これらのキーワードをもとに神経症のメカニズムや解決策がわかりやすく書かれており、そこにある情報はどれもが目新しく、かつ斬新で強烈に惹きつけられた。

 

 

次回に続く

  

 

 

自律訓練法に挑む⑤

第4公式(呼吸調整練習)に引き続き、第5公式(腹部温感練習)の体験を紹介したい。

これも単純に心の中で「お腹が温かい」と繰り返し念ずるだけなのだが、中々はっきりとした感覚が掴めず苦労した。

まず「お腹」と言っても、「お腹」のどの部分に意識をかけたらよいのかだ。難しい言葉であるがまず「太陽神経叢(たいようしんけいそう)」という場所があってそこに意識を向けることからがスタートになる。

太陽神経叢の場所は「みぞおち」と「おへそ」のちょうど中間あたりの位置で、そこから胃、腸、肝臓、腎臓など多くの器官に神経がのびていて、脳からでている自律神経の前線基地であり、第2の脳とも言われるそうだ。

始めのうちは位置がわかりにくい為、太陽神経叢の場所に手を添えてそこに意識をかけるようにやれば良いらしく、また実際にそのように練習を進めていった。

(※この練習をする上で糖尿病の人は注意が必要とのこと)

 

気持ちが落ち着いているの「背景公式」から始め、「重感」→「温感」→「呼吸調整」→「腹部温感」の順序で進めていくのだが、ハッキリとした温かい感覚として意識できたのに約3か月ぐらいかかったと記憶している。

始めはただお腹がムズムズするぐらいだったが、次第に温かいと感じる頻度が増してきた。

腹部温感練習が上手くいくと、心身に顕著にいい効果が表れる。

まず自律神経失調症の為、常に胃腸が弱い状態で朝一番は決まって下痢状態だったが、腹部の温かみを感じられるようになって、通常の便の状態に改善した。そして、緊張性の頭痛も練習後は緩和されたのがはっきりとわかった。

まさに自律神経の前線基地で、ここが安定すれば身体のいろんな不調が改善されるんだなと身をもって体験した。

何より驚いたのは、精神的な更なる落ち着きが得られたことだった、人前で話すときも以前より比べて堂々としてられる、あがり症が明らかに改善された。

身体の中にどっかりたした芯が通ったように落ち着きを常に保ってられる。

この時からすでに向精神薬の量は、週に1日~2日の割合でかなり減っていった。

将来的にも薬を飲まなくてもやっていけると自信と希望が大きくなってきた。

先生にも診察時、この経過を話をして喜んでくれた。

 

そしてそれからも自律訓練法に全幅の信頼をおいて練習を続けていたのだが、神経症との闘いは甘くはなかった。

軽度な神経症、自律神経失調症の類なら、この健康法で改善は期待できるかもしれない、そして皆さんにもお勧めする。

しかし自分が対峙している神経症はかなり根深いものであり、かなりの強敵だった・・・

太陽神経叢をも狂わせる、身体と意識の深部に何かとてつもないものがあるような気がした・・・

 

次回に続く

 

 

 

自律訓練法に挑む④

一日も欠かさず訓練を重ね背景公式、重感、温感まで約3ヶ月ぐらいで身体に反応があらわれるようになったので、次の公式に移ることにした。

さて次は、第3公式(心臓調整練習)ー「心臓が自然に規則正しく打っている」だが、この公式はごく自然に穏やかにではあるが、心臓の拍動が変化するらしく、その事を考えると心臓に障害のある人は、この練習はパスした方がいいとのことだ。

自分としても特に心臓に持病はなかったのだが、心臓の鼓動の速さを変化させるといこうことに気持ち悪さを感じたので、この練習は飛ばし次の練習に移ることにした。

次の第4公式は呼吸調整練習ー「自然に(楽に)呼吸している」だ。

佐々木先生の本によると自律訓練法は自分の意志を持ち込んでは、効果が得られず、呼吸調整練習においても意図的にゆっくり呼吸しても、それは楽な呼吸とは異質なもので、気持ちをリラックスさせて、ただ自然の呼吸にまかせておけば良いそうだ。(呼吸器に疾患のある人はこの練習を避けた方が良いらしい)

 

練習は背景公式、重感、温感へと進み呼吸調整練習へと10分程度で終わるようにした。

 

最初は「楽な呼吸をしているな」と確認作業のような感じだったが、日々練習を重ねるに連れて、自分の意思とは無関係に呼吸自体が楽なものへとなっていった。

ちょうど腹式呼吸を自分の意思とは無関係に身体がしているような状態になり(腹部が自動的に凹凸する)うまくいくと気持ちが良くなり、リラックスも更に深まっていく。

 

ある日、いつものように昼食後、自家用車内で寝ぞべり練習をしたのだが、たまたま練習の調子が良く呼吸もかなり楽に出来ている状態だった、そうやって楽で自然な呼吸に身を任せていると、突然、「なんだこりゃ!??」っていう、とてつもない不思議な体験をすることになる。

あとで調べてわかったのだが、いわゆる変性意識状態というもので、ちょっと言葉で表現をするのは難しいのだが、自分の体験は外界の情報が一切遮断されダダ広い闇で空中浮遊しているような不思議な感覚だった。

 

体験自体はかなりのリラックス感を伴い恐怖心は微塵もない。その状態を持続させようとして意識すると途端に泡のように消えてしまう、練習をしていく中で起きる稀な体験といってよい。

 

 同じく佐々木先生の自律訓練法について更に詳しく書かれてある(特殊訓練法、瞑想訓練などについても細かく記載)「自律訓練法の実際」にも変性意識らしいことが書かれてあり、人によって遥か遠い景色を眺めているような体験などいろいろあるらしい。

 

この時の体験を機に「呼吸」そして「変性意識」との関係性について深い興味を持つようになった。

直感的に「呼吸」というものが治療においても、人生においても実は非常に重要なのでは?と思うようになった。

(そしてこのことを調査していくことで、将来、自分を神経症の悪夢から救ってくれる更なる巨匠に出会う事になるのだ)

 

とにかく呼吸調整練習は比較的、早くにマスターすることができて次の第5公式腹部温感練習に移ることにした。

この腹部温感練習は一番難しい公式でマスターにはかなりの時間を要した。

次回に続く。

 

 

 

自律訓練法の実際―心身の健康のために

自律訓練法の実際―心身の健康のために

 

 

 

自律訓練法に挑む③

訓練を始めるにあたって周囲の環境は大切だ。
慣れないうちは出来るだけ自分が落ち着ける場所を選らんだ方が良い。

時間帯は朝食後、昼食後にそれぞれ10分間訓練を行った。
自分にはその時間帯が一番リラックス出来、また訓練もうまくいった。

「気持ちが落ちついてる」の背景公式から「手足が重たい」「手足が温かい」の第一、第二公式まで完全にマスターするのに3カ月かかった。

最初は「気持ちが落ちついてるのかな?」「手足が重たいのかな?」と疑問を持ちつつも、とにかくバカになってひたすら頭の中で念仏を唱えるように続けた。

そうすると少しづつ手足が本当に固くなったり、下に沈んでいく感覚が現れはじめた、そう重感まではすんなりいけたのだが、最初の壁は温感だった。

暗示の力で果たして本当に手足が温かくなるのか?半信半疑たったがやはりこれも計らいを入れずとにかく手足の反応がどうあれ繰り返すのみだった。

そして、ある日突然急激に手がぽかぽかとハッキリ感知できるほど温かくなった!
これはすごいと思い、自律訓練法の効果、信憑性を身をもって体感した時だった。
同時に暗示というものが本当にあることも自分の身体をもって証明できた。

しかしながら喜びは束の間、とたんにまた反応があらわれなくなった、あまり期待すると力んでしまって良くないらしい、その日の体調にもよるが気持ちの持ちようによってもかなり影響するようでなかなか難しい。

やはり初心に戻りバカになってひたすら訓練を続けるのみだった。
回数をこなし3ヶ月ぐらいから重感はもちろん温感までかなりの高確率でうまくいくようになった、そして、温感が定着したぐらいから体調も少しづつ上向きになった。

温感訓練までできるようになるとけっこうな催眠状態に入ってるようで、その際の「気持ちが落ち着いてる」の暗示は更に自分の中に入り込むのを実感した。

驚いたのは会社の全体集会の時、いつものように対人恐怖で周りに人がいて不安で落ち着かなかったが、心の中で「気持ちが落ち着いてる」と唱えると、本当に落ち着いてしまって、普通にその場にいられるようになったのだ。
普通と書いたがその時はじめて「これが普通の感覚なのか!」と普通を体験できた、普通の人間は当たり前にこんな感覚でいられるのか!?
自分にとっては安定剤か酒を飲むことでしか得られなかった感覚を素面で体験できたのでこれが「普通」とは言え嬉かった。

継続は力なりで、暗示を唱えれば自動的に反応する身体になり、訓練をしてないときでも気持ちの落ち着きが持続するようになっていった。

精神安定剤の減薬も順調に進み、人生に希望が見えてきた。

次回に続く